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ChatGPTでExcelの関数を作る方法|月末の集計を例に、頼み方・確かめ方・会社のデータを守る使い方

「月末になると、売上の集計で毎回夜までかかる」「関数をネットで調べても、うちの表に合う式が見つからない」「Excelに詳しい社員が辞めたら、誰も直せない」。事務の現場でよく聞く悩みです。

ChatGPTなどの生成AIを使えば、やりたいことを日本語で伝えるだけで、自分の表に合ったExcelの式を書いてもらえます。この記事では、月末の集計でよくある5つの作業を例に、AIへの頼み方、AIが書いた式を実際にExcelで計算して確かめた結果、会社のデータを守りながら使うコツをまとめました。

結論:式はAI、計算はExcel、確かめるのは人

ExcelでAIを使う4つの手順の図。1 架空の3行で頼む:列の名前・やりたいこと・A社や50,000のような架空の値。2 AIが式を書く:どのセルに何を入れるかまで日本語で説明してくれる。3 Excelが計算する:式が正しければ間違えない。4 人が確かめる:数件を手計算、境目の日付、重複・空欄で試してから使う。式はAI、計算はExcel、確かめるのは人。本物の顧客名や金額はAIに貼らない
AIに任せるのは「式を書く」ところだけ。計算と確認は任せない。

ChatGPTでExcelの何ができる?

Excelの仕事で、生成AIが特に役に立つのは次のような場面です。

AIをExcelで使う3つの方法

  1. AIの画面で式を作り、Excelに貼るChatGPT・Gemini・Copilotなどの画面で頼んで、返ってきた式をコピーする。いちばん手軽で、会社のデータもAIに渡さずに済む。この記事はこの方法で説明する
  2. ChatGPTの公式アドイン「ChatGPT for Excel」を使うExcelの中でChatGPTを呼び出せる。2026年5月から、無料プランを含む全プランで使えるようになった(使える量はプランによって違う)
  3. Microsoft 365 の Copilot を使うMicrosoft 365 を契約している会社なら選択肢になる。Excelの中で使える機能は、契約しているプランによって違う

2と3は、開いているシートの中身をAIが読み取って使います。本物の顧客情報や売上が入ったファイルで使う前に、社内でルールを決めておくのが安全です。最初は1の方法から始めるのがおすすめです。

頼み方の基本:列の名前・やりたいこと・架空の3行

「売上を集計する関数を教えて」だけでは、AIは表の形を想像で補います。次の3つを伝えると、そのまま貼れる式が返ってきます。

  1. 列の名前と場所「A列に日付、C列に取引先、D列に金額」のように
  2. やりたいこと「G列の取引先ごとに、今月の金額の合計をH列に出したい」のように、どのセルに何を出したいかまで
  3. 架空のデータを3行ほど本物の顧客名や金額ではなく、「A社」「50,000」のような架空の値で、表の形だけ伝える

頼み方のひな形

Excelで次のことをする式を教えてください。どのセルに何を入れるかも書いてください。
表の形:〔A列に日付、B列に請求番号、C列に取引先、D列に金額(税抜)、E列に税率〕
やりたいこと:〔G列の取引先ごとに、H1に入れた月の金額の合計を、H列に出したい〕
データの例(架空):〔2026/10/1、S-102、A社、120000、10%〕

月末の集計で試した5つの例

ここからは、月末の集計でよくある5つの作業を、実際にAI(Claude)に頼み、返ってきた式をExcelで計算させて、手計算と比べた結果です。データはすべて架空のものです。

例1〜4は、次の売上一覧(架空)で試しました。わざと、月をまたぐ日付、締め日の前後の日付、同じ請求番号が2回入った行(S-107)を混ぜています。

日付請求番号取引先金額税率
9/30S-101A社50,00010%
10/1S-102A社120,00010%
10/5S-103B社38,0008%
10/12S-104C社75,00010%
10/20S-105A社42,00010%
10/21S-106B社16,5008%
10/28S-107C社90,00010%
10/31S-108A社30,0008%
11/2S-109B社61,00010%
10/28S-107C社90,00010%

2026年の架空のデータです。A列に日付、B列に請求番号、C列に取引先、D列に金額(税抜)、E列に税率が入っています(1行目は見出し)。

例1:取引先ごとの今月の売上合計

頼み方

H1に集計したい月の1日(例:2026/10/1)を入れます。G3からG5に取引先名(A社・B社・C社)を入れて、H列に、その取引先のH1の月の金額(D列)の合計を出す式を教えてください。

AIの出力

H3に次の式を入れ、H5までコピーしてください。
=SUMIFS($D:$D,$C:$C,G3,$A:$A,">="&$H$1,$A:$A,"<="&EOMONTH($H$1,0))
・D列を合計する ・C列がG3の取引先と同じ行だけ ・A列がH1の月の1日から月末までの行だけ
H1の日付を変えれば、別の月の合計になります。

例2:締め日(20日)で請求月を分ける

頼み方

当社は毎月20日締めです。A列の日付が20日以前ならその月、21日以降なら翌月を、請求月としてF列に出したい。F列は「2026/10」のように年と月だけ表示したいです。

AIの出力

F2に次の式を入れて、下にコピーしてください。
=IF(DAY(A2)<=20,DATE(YEAR(A2),MONTH(A2),1),DATE(YEAR(A2),MONTH(A2)+1,1))
F列の表示形式を「ユーザー定義」で yyyy/mm にすると、年と月だけが表示されます。12月21日以降は、自動で翌年の1月になります。

例3:税率ごとの消費税

頼み方

J3に10%、J4に8%を入れます。K列にH1の月の税率ごとの金額(税抜)の合計、L列にその消費税(1円未満は切り捨て)を出す式を教えてください。

AIの出力

K3:=SUMIFS($D:$D,$E:$E,J3,$A:$A,">="&$H$1,$A:$A,"<="&EOMONTH($H$1,0))
L3:=ROUNDDOWN(K3*J3,0)
K3とL3を、4行目にもコピーしてください。

例4:請求番号の重複チェック

頼み方

B列の請求番号に、同じ番号が2回以上入っている行があれば、M列に「重複」と出したい。データは2行目から11行目です。

AIの出力

M2に次の式を入れて、M11までコピーしてください。
=IF(COUNTIF($B$2:$B$11,B2)>1,"重複","")
行が増えるなら、$B$11 を $B$500 のように広げておくと便利です。

例5:勤怠から残業時間を出す

頼み方

勤怠の表で、B列に出勤時刻、C列に退勤時刻(例:8:30、19:15)、D列に休憩時間(時間で、例:1)が入っています。働いた時間が8時間を超えた分を、E列に「時間」の数字(例:1.75)で出したい。8時間以内なら0にしたいです。

AIの出力

E2に次の式を入れて、下にコピーしてください。
=MAX(0,(C2-B2)*24-D2-8)
Excelでは時刻が「1日=1」で記録されているので、24をかけて時間に直しています。E列の表示形式は「標準」にしてください。

このほかの事務作業の見本は「生成AIのプロンプト例|AIで実際に作った見本集」で、指示文と実際の出力をそのまま紹介しています。

AIが書いた式の確かめ方

上の5つは、どれも正しい式が返ってきました。それでもAIは、もっともらしいけれど間違った式を書くことがあります。使い始める前に、次の4つを確かめてください。

  1. 数件だけ手計算(電卓)で答えを出して比べる2〜3件の取引先、2〜3日分でよい
  2. 境目の日付で試す月末と月初、締め日の当日と翌日。日付の式は、境目でずれやすい
  3. 重複・空欄・0の行を入れて試す実際の表には、入力ミスや空欄が必ずある
  4. 全体の合計と比べる取引先ごとの合計を足すと、全体の合計と同じになるか

会社のデータを守りながら使うコツ

会社でAIを使うときのルールの決め方は「AIで業務効率化する方法」の「情報漏えいを防ぐ社内ルール」でまとめています。

とはいえ、伝えたい2つのこと

1. 式を作るのはAI、計算はExcel、確かめるのは人

AIに計算そのものをさせると、桁の多い合計などで間違えることがあります。AIには「式を書く」ことだけを頼み、計算はExcelに任せ、最後に人が数件を確かめる。この分担なら、AIの間違いが数字に紛れ込みにくくなります。

2. 関数を覚えるより、表の形を整える

例1で見たように、式が正しくても、元の表に重複や入力ミスがあれば答えはずれます。また、1つのセルに「A社 10/5」のように2つの情報を入れていたり、行ごとに書き方がばらばらだったりすると、AIもExcelも正しく扱えません。「1行に1件」「1つの列に1つの情報」に表を整えておくことが、どんな関数を覚えるよりも効きます。表の整え方は、「業務効率化の進め方とアイデア15選」の「二重入力をやめる」もあわせてどうぞ。

Excelの集計に向けて、鯖江AI相談室がお手伝いできること

鯖江AI相談室は、AIを使って仕事の手間を減らす仕組みを作っています。福井県内は伺います。県外の会社はオンラインで対応します。Excelの集計については、たとえば次のようなことをお手伝いできます。

よくある質問

無料のChatGPTでもできますか?

できます。この記事の方法(AIの画面で式を作ってExcelに貼る)なら、無料版でも十分です。架空のデータで頼めば、会社の情報も入りません。

マクロ(VBA)も作ってもらえますか?

作ってもらえます。ただし、マクロはファイルを書き換えたり消したりできるので、必ず元のファイルのコピーで試してから使ってください。何をするマクロなのかも、AIに日本語で説明させておくと安心です。

古いExcelでも使えますか?

この記事の5つの式(SUMIFS、EOMONTH、COUNTIF、DATE、ROUNDDOWN、MAX)は、多くの版のExcelで使えます。ただし、XLOOKUPなど新しい版でしか使えない関数もあるので、頼むときに「Excel 2016で使える式で」のように版を伝えると確実です。

まとめ

参考:OpenAI「ChatGPT for Excel」(2026年5月5日の更新で全プランに一般提供)。この記事の式は、架空のデータを使い、Microsoft Excel で実際に計算して手計算と比べています。

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